農と食のこと

夏野菜を植える時のポイント─苗を外気に慣らし風対策を─

 夏野菜を植えるのに適した時期は、昔から「八十八夜を過ぎてから」と言われています。このころになると遅霜の心配がなくなるためです。今年の八十八夜は5月2日です。そこで、夏野菜の定植時期の管理について紹介します。

植え付け時の注意点

注意1  購入した苗はすぐに植えない

 JAが苗市などで販売する苗は、市内の農家がビニールハウス内で育てたものです。外の環境と違い、温度管理がなされた状態で育った「温室育ち」です。そのため、昼夜温度差のある露地に植えてしまうと苗が風邪をひいてしまいます。特にツル性のキュウリやスイカは要注意です。

 購入した苗は、軒下で2〜3日程度、外気温に慣らしてあげましょう。

注意2  定植はなるべく暖かく風の吹いていない午前中に

 急に温度差のある環境で植えると生理障害を起こす要因となります。また、風の強い日は苗が風にあおられ、成長に悪影響を及ぼします。仮止めとして支柱竹などで苗を支えてあげましょう。支柱は短くても大丈夫です。

 キュウリやスイカなどのツル性の作物は、風よけとしてパラフィン紙で囲いをするのもお薦めです。

注意3  植えた後の水やりはほとんど必要なし

 植える2時間ほど前にたっぷり水を吸わせれば、定植後の水やりはほとんど必要ありません。

 植える際は、浅植えを心掛けましょう。畑の土より、ポットの土が少し出るようにするのがポイントです。またその際に、土を押しつけて固めないように注意します。

耐病性のある接ぎ木苗の活用

 接ぎ木苗は台木に耐病性に優れた根を使っています。病気を減らすには、接ぎ木苗を導入するのも一つの方法です。接ぎ木苗には次のメリットがあります。

  1. 病気に強い(土壌伝染性病害)
  2. 連作障害に強い
  3. 品質が良く、収穫量が増える

適切な薬剤散布を

 病害虫が発生した場合は、適切な薬剤散布が必要です。また、病気に対しては予防剤の散布が重要です。定植時には、下記の薬剤をお薦めします。適正な使用量や使用時期回数、希釈倍率を把握し、使用してください。

 不明な点がありましたら自己判断せず、サンプルを持参の上、お近くのJA町田市各支店経済課か経済センター営農支援課までご相談ください。

アブラムシ・アザミウマへの防除(定植時に使用)


ダントツ粒剤(普通物)3kg
価格3,500円(税込)

アドマイヤー粒剤(普通物)3kg
価格3,890円(税込)

きずな.2017年 春号_No.44掲載