サトイモ栽培のちょっとしたコツ、教えます
サトイモは半日日陰になる場所でも十分育ち、手間もかからないので、輪作(4年)すると作りやすい作物です。今回は、サトイモ栽培のちょっとしたコツをご紹介します。
サトイモを知る
サトイモは、植えた種芋の上に親芋が育って、その周りに子芋が付きます。サトイモの株間は60センチで、草丈も120~150センチと大きく育つため、十分な栽培スペースが必要です。「収穫したサトイモがなぜか小さい!大きなスペースをとって育てたのになぜ?」という方は、まず原産地の環境を知ることが重要です。サトイモの原産地は熱帯アジアなので、生育環境は気温が25~30度くらい。高温を好む野菜です。また雨が多い地域のため、雨が好きで乾燥が苦手という特徴もあります。
乾燥が嫌い
サトイモの大きさは栽培環境に左右されます。小さく育つのは、乾燥が原因の場合がほとんど。サトイモは7月中旬~9月にかけて急速に肥大するので、この時期は乾燥させないようにかん水しましょう。「乾燥したらたっぷり与える」ことが大切です。乾燥させると子芋の数が減り、痩せて小さくなってしまいます。サトイモは常に株の周りが湿っている状態が最適なので、水をやる時はたっぷり与えましょう!
「土寄せ」が大切
サトイモには「土寄せ」という作業が必要です。土寄せとは、株元に土を盛ることです。生育してくると子芋が地上に出てきてしまうことがあるので、土をかぶせて生育を促します。土寄せをすることによって、新たにイモが太るスペースができるため、肥大が進みます。土寄せをせずイモが光に当たると、緑色になって味にもえぐみが出てしまうので、この作業は忘れずに行いましょう。土寄せは一度だけでなく、月1回のペースで、約5センチずつ行うなど、継続して行うことがポイントです。
また、サトイモは10月から収穫できますが、12月を過ぎるとさらに味がおいしくなります。
サトイモを守るには
近年、サトイモの畑について、疫病による被害が報告されています。疫病を予防し、まん延させないよう対策しましょう。以下に対策方法をご紹介します。
- 発生源の対策
(1)残さの処分 (2)種芋の消毒 - 疫病をまん延させない対策
(1)薬剤散布通路の確保 (2)排水対策の実施 - 薬剤防除
(1)早い時期からの防除開始 (2)定期的な薬剤散布 - 適正施肥による栄養改善
適期で使用する治療剤
アミスター20フロアブルは、植物に侵入した菌の殺菌効果(治療効果)がある薬剤です。発病後の散布でも、ある程度の防除効果が期待できます。ただし、重症化した後に治療効果を発揮する薬剤ではありませんので、症状に気が付いたらすぐに2回連続で散布しましょう。詳しくは、各支店経済課または営農支援課へお問い合わせください。
きずな.2019年 春号_No.52掲載