農と食のこと

鶴川地区トップクラスの出荷量と品数
こだわりの野菜でアグリハウス鶴川を彩る

荻野 功さん
三輪町

 町田市三輪町の荻野功さん(59)は、市内5カ所の畑で四季折々の野菜・果物を栽培しています。収穫した野菜や果物はアグリハウスに出荷する他、畑の前にある直売所でも販売しています。農作業に励む傍ら、鶴川地区野菜部会役員や下三輪支部支部長、鶴川地区ゴルフ会の副会長も務め、精力的に活動しています。
(取材担当 鶴川支店:小峰直将、五十嵐遼)

家族で支えていく荻野家の“農”

 荻野さんは父・勇さんの農作業の手伝いをきっかけに農業に携わるようになりました。約4年前に勇さんが亡くなる間際は、毎朝勤め先に出勤する前にアグリハウス鶴川に野菜を出荷し、休日には農作業をよく手伝ったといいます。残された畑を存続させるために農業を継ぐことを決意。亡くなられた3カ月後には勤め先を退職し、就農しました。
 休日に農作業を手伝っていたとはいえ分からないことも多かったといい、「就農当初は失敗から学び、学んではまた失敗しての繰り返しだった」と当時を振り返ります。野菜部会の先輩からのアドバイスを受けながら、色艶の良いおいしい野菜を出荷できるようになりました。
 日々の農作業は主に荻野さんが1人で行い、袋詰めなどの作業をベテランの母・清枝さんが担当しています。土日には家族が農作業を手伝うこともあります。夢は、息子さんと一緒に農業を営むこと。「息子が継いでくれれば、老後は悠々自適にゴルフができるな」と笑顔を見せます。

直売所を盛り上げる色とりどりの野菜を出荷

 朝5時には起床して、すぐに畑に向かい収穫を始めるという荻野さん。収穫が終わると袋詰めをし、7時半前にはアグリハウス鶴川に出荷して店頭に陳列します。出荷する野菜は毎日7~8種類で、鶴川地区では出荷量、品数ともにトップクラスです。夏にはナス、ピーマン、トマト、マクワウリ、オクラ、カボチャなどを栽培します。中でも最近特に人気を集めているのが、メディアなどで栄養価が高い食材として紹介されているモロヘイヤです。1人で10束も買う人がいるほど絶大な人気で、生産者である荻野さんも「そういえば今年はモロヘイヤを食べていないな」とぽつり。他にも、空芯菜(くうしんさい)やゴーヤー(ニガウリ)、葉トウガラシ、鷹の爪(トウガラシ)など色とりどりの野菜を出荷していて、直売所利用者の目を楽しませます。

最高の農作物を作ることを目指して

 秋には富有柿、次郎柿など5種類以上の柿が出荷の最盛期を迎えます。アグリハウスで特に人気を集めるのが、果肉が梨のようにさくさくとして柔らかく、糖度が高くて果汁が多い「太秋(たいしゅう)柿」です。今年も荻野さんの作る太秋柿がアグリハウスを彩ります。
 「毎年同じやり方で栽培しても、気温や気候の違いで全く異なった出来になる。最高の状態の農作物が作れるように、試行錯誤しながら手間暇をかけるのが楽しい。これからもたくさんの野菜の栽培にチャレンジしたい」と語る荻野さん。熱い挑戦はこれからも続きます。

 畑の直売所では採れたての新鮮な野菜を直接届けています

きずな.2018年 秋号_No.50掲載