農と食のこと

祖父と父の背中を見て
農業を志す

細野 晃生さん(27)
町谷地区

 南支店からほど近い町谷地区に細野晃生さんの畑があります。晃生さんの畑では、ダイコン、ホウレンソウ、ブロッコリー、ハクサイ、キャベツ、ネギなど、日々の食卓に欠かせない野菜に加えて、パクチー、ブンタン、シークワーサーなどの珍しい農産物も栽培し、アグリハウスみなみに出荷しています。今回は多種多品目の農産物生産に挑戦する、晃生さんの奮闘を紹介します。
(取材担当:南支店 村井 諒)

幼心に刻み込まれた農業が
今の自分を築く

ダイコンの葉の色を確認する晃生さん

 晃生さんが就農したのは2023年1月。大学卒業後、一般企業に就職していましたが、達也さんの後押しもあり農業の道に進むことを決心しました。祖父が育てた野菜がいつも食卓に並んでいたこともあり、「高校生のころには、将来農業を引き継ぐことを心の片隅で考えていた」と話しました。

 就農1年目の夏、アグリハウスみなみでの特売にあわせて育てていたキャベツの多くがダメになってしまったことがありました。このことを達也さんに相談したところ「寒冷紗をかけ、日差しを遮ること。水やりは涼しくなった夕方にあげるように」とアドバイスをもらい、この困難を乗り越えることができました。

喜びと感謝の気持ちを
感じる日々

自慢のブンタンをアグリハウスに出荷

 スーパー等に見劣りしない商品をアグリハウスに出荷する、ということを心がけて野菜を育てていると話す晃生さんは、他の生産者とも連携し、生産や出荷における心構えや農産物の情報を共有することで常にアップデートしています。取材当日も出荷予定の綺麗に整ったダイコンやネギを眺め、葉の色を確認するなど細かいところに目を配っていたのが印象的でした。

 「農業を始めて間もない自分とベテランの生産者の作った野菜が同じところに陳列されている喜びと、多くのお客さまに買っていただけている感謝の気持ちをものすごく感じている」と笑顔で話す晃生さん。今後も他の生産者と切磋琢磨しながら、より品質の高い農産物を作り、多くの方に届けられるようにしたいと意気込みます。

 晃生さんは自身の経験から、幼いころから農業に触れ、体験することで農業がもっと身近な存在になり、農業に興味を持ってもらうきっかけになるのではと考えます。そのためにも「今後、近隣の保育園、幼稚園などに呼びかけ、収穫体験や野菜ができるまでの過程を子どもたちの目で見て感じてもらえるような体験活動を行っていきたい」と未来の目標を話しました。

取材を終えて

 晃生さんはいつも笑顔で挨拶し、丁寧に野菜を陳列するため、アグリハウスを訪れる皆さまからの信頼も厚い若手農業者です。今後、南地区だけでなく、町田市内の農業を支えていただきたいと思います。また、今回ご紹介させていただいた晃生さんのように若い世代の方が増え、農業を担っていただけたら今後の農業の活性化や担い手不足問題も解消されると思います。

 これからも若い農家さんの奮闘する姿を紹介するとともに、就農者の支援ができるよう尽力してまいります。