春の種まきシーズンに向けての注意点
春の種まきは、お彼岸明けからと言われます。組合員の方々もいよいよ種まきのシーズンが始まります。
例年、組合員さんから「種がうまく発芽しなかった」や「種が土の中で腐っていた」などの話が多く寄せられます。
今回の営農情報では、種まきのポイントについて触れたいと思います。
種の発芽には、「水・温度・空気」の3つの条件が必要で3つのバランスが重要です。
種の上にかける土(覆土)の量に注意
ニンジンなどのセリ科の作物やレタスなど光を必要とする種(好光性種子)は見え隠れするぐらいでいいでしょう。ナス科・ウリ科・アブラナ科など光を必要としない種は、種の厚みの2〜3倍ぐらいにしましょう。コーティングされた種はしっかりと土(覆土)をかけましょう。
発芽の揃いを良くするために、種の向きを確かめましょう。トウモロコシなどはヘソを下にして撒きます。種の向きを揃えることで、発芽も揃います。
収穫時期を合わせるには発芽が重要です。発芽が遅れると収穫時期にも影響が出ます。
発芽するまでは乾燥に注意
種まきをしてから芽が出るまでは水分管理を慎重に行いましょう。
コーティングされた種は、種まで水分が行き渡らない場合やいったんコートが水分を含んでから乾いて硬くなった場合は発芽不良を起こすことがあります。発芽したあと種が葉についたままの場合は水分不足です。
水やりを頻繁に行うと、土の中の空気が占める大きな透き間にまで水が入り、発芽に必要な空気が不足し発芽不良を起こします。
水が表面にたまらないようにしましょう。水を多くかけるときは、往復するようにかけるといいでしょう。
発芽するまでは特に注意しながら水やりをします。
種まきのあとは温度管理に注意
- 発芽の適温の平均は20〜25度くらいです。
- 種の袋に発芽温度が書かれていますから確認するとよいでしょう。
- 寒いときはトンネルがけなどをして発芽させましょう。
- 4月に入ると暖かくなるので、穴あきトンネルを使用するのも効果的です。
種まき・定植作業の時間にも注意
天気は薄曇の日が最適です。5月中旬〜9月の夏場は作業後、気温や地温が上がらないように午後3時以降に作業をするといいでしょう。逆に秋から春(10月〜5月中旬)は作業後に気温や地温が下がらないようにできるだけ午前中に作業をしましょう。夕方に作業をして夜温が下がると、種や苗が低温のショックを受けることがあります。
上記で述べた通り、「水・温度・空気」の条件とバランスが重要です。
しっかりと管理し、よい作物を作りましょう。
詳しくは、各支店経済課または経済センターふれあい課までお問い合わせください。
きずな 2013年 春号 No.29掲載