秋どりエダマメの品種比較と栽培技術の確立
3面でご紹介したとおり、JA町田市青壮年部会が、東京都農林水産業技術交換大会で「秋どりエダマメの品種比較と栽培技術の確立」に関する取り組みを発表し、最優秀賞を受賞しました。今回の営農情報では、同部会の研究事業の内容をご紹介します。
研究の目的
9月下旬〜10月下旬のいわゆる「秋の端境期」に出荷できる品目を増やすため、新たな栽培技術の確立を目的とし、秋どりエダマメの栽培に取り組みました。また、この時期にエダマメを本格的に栽培する産地は少ないため、導入に成功すれば大きなビジネスチャンスになることも期待しました。
実施にあたり配慮した点
- 盛夏期の播種になるため、手間のかからないこと
- 見栄え、味が良く、有利販売できること
使用した資材
- 白黒ダブルマルチ9230:地温を下げ、反射光を確保することで生育促進を期待
- 防虫ネット(透過率90%、目合0.6mm、幅1.8m):害虫防除と光線量確保を期待
品種
- 7月23日からの播種:早生、極早生
- 8月11日からの播種:中早生
★どの品種も見栄え、食味の良い、良好な結果が得られました。
栽培の流れ
- 圃場の準備:基肥は無施用、前作によっては根付け程度
必要であれば苦度石灰を100kg/10a施用
たがやした後、白黒ダブルマルチを被覆 - 播種:2粒/穴で播種、防虫ネットでトンネル被覆を行い、収穫まではがさない
- 追肥:第一花が咲いたら通路に化成肥料を6〜10kg/10a散布
- 収穫
このように、トンネルをかけてからは追肥を1回するのみで、手間をかけずに収穫を迎えられます。
お客様の声
「甘くて、コクがあって、おいしかったです」と高評価をいただきました。
失敗から分かった留意点
- 播種時に水やりはしない。急激な水分吸収により、種子が破裂または腐ってしまいます。
- 播種日から気温34℃を超える日が3日続くと、発芽不良を起こす可能性があります。
- 防虫ネットは収穫まではがさない。途中ではがすと、害虫被害が多発します。
- 9月播種では、十分な実の膨らみが期待できない。
青壮年部会では、栽培技術の精度をさらに高めるため、今年度も研究を継続しています。手間がかからず、おいしいエダマメをお客様へ提供できる、この栽培法をぜひお試しください。
ご不明な点がありましたら、JA町田市経済センターふれあい課 青壮年部会事務局までご連絡ください。
きずな.2015年 夏号_No.38掲載