代々の農業を受け継ぐ
田中美千子さん(66)・仁司さん(66)・永治さん(40)・貴子さん(38)
上小山田町
家族の協力で続ける農業
忠生地区谷戸支部の田中永治さん(40)は、父の田中仁司さん(66)、母の美千子さん(66)、妻の貴子さん(38)の家族4人で、ホウレンソウなどの葉物の野菜を中心に約20品目を栽培しています。地元の学校給食や直売所などへ1日1トン近くの出荷があります。農地が点在しているため「家族のみんなの協力がなければできない」と家族への感謝の気持ちを持ちながら、永治さんは代々受け継がれた農業を営んでいます。
一家で仲良く農業
田中家では以前、町田の特産品といわれた「小山田三つ葉」などを栽培していましたが、消費が少なくなったため、今ではホウレンソウなどの葉物野菜に切り替えました。町田市立小山田小学校と同市立小山田南小学校の給食やJA町田市の直売所「アグリハウス忠生」と生協へ出荷しています。1日の出荷量は、1トン近くになります。
農地は、3ヘクタールが自宅周辺にあり、その他は点在しているため、移動しての収穫作業は大変な労力がかかります。家族の協力なしには農業経営が成り立たないため、田中家では、仁司さんと永治さんが収穫、美千子さんと貴子さんが出荷の準備と分担します。
「家族で苦労を共にしているので、仲がいいのかもしれませんね」と永治さんは話します。
若手後継者と切磋琢磨
永治さんは、就農して約10年。農業の土台は先代から受け継がれてきたので、基礎はできていました。小山田地区は、若手の後継者もいて「私が就農する上で困難なことはなかった。同世代の後継者とお互い切磋琢磨することで励みになっています」と力を込めます。
若手後継者とは、普段からコミュニケーションを取り合っています。今までのやり方とは違う手法を取り入れたり、新品種に合った栽培方法の情報などを共有したりできるのが強みです。同年代の生産者はライバルでもあり、よき理解者でもあります。
ハウストマトの安定出荷目指す
現在、永治さんはハウストマトを作っており、年間を通して安定的に出荷することを目指しています。生産農家は町田市で数件しかなく、「アグリハウス忠生」へ出荷しているのは田中さん1人です。
「今後も町田市での地産地消≠目指したい」と意気込む永治さん。代々受け継がれた土台の上で、新たな挑戦に家族で挑みます。
きずな.2014年 冬号_No.36掲載