地元の農産物活かして町田を元気に
横田竜雄さん
町谷
家族は、母・和子さん(82)、妻・百美子さん(49)、長女・有香さん(25)、長男・直紀さん(23)の5人。南地区町谷支部支部長や園芸部会南支部支部長、農業委員、キラリ☆まちだ祭農商連携委員会の委員長など、多数の要職も担っています。
南地区町谷支部の横田竜雄さん(56)は、「家族、周りの方々への感謝の気持ち」を大切に、代々受け継がれた植木生産業「横田園」を営み、植木栽培や造園施工管理を手掛けています。農商連携による新商品開発に積極的で、町田産農産物を使った商品を次々と開発しています。家業を継いで34年、「町田を元気にしたい」という熱い思いが、原動力になっています。
農商連携で新商品開発
「横田園」には、かつて東京都知事賞に輝いた高さ2・5メートル、樹齢40年を超えた花ゆずの木があります。観賞用として育てていましたが、収穫される数多くの実を有効活用できないかと考えていたところ、2011年春に、町田の農家と商店が協力して特産品を作る農商連携新商品開発プロジェクトが始まりました。
その第1弾として「花ゆずのお酒」を酒店「さかや栗原」(南成瀬)と共同で商品化しました。「試行錯誤の繰り返しだった」と当時を振り返ります。現在では、岡直三郎商店(旭町)の「ゆずポン酢」や「ブルーベリー梅酒」「花ゆずの梅酒」「まちだの梅酒」などを商品化。開発後も「よりおいしいものを」と、常に改良に向けた研究を続けています。
最近では、洋菓子店「マロン」(つくし野)と連携し、地元農産品を使った4種類の根菜スイーツをキラリ☆まちだ祭限定で販売しました。
市農業祭品評会で都知事賞
横田さんは昨年11月8日、第41回町田市農業祭の農産物品評会植木等の部に23点を出品。総出品数126点の中でアオハダが都知事賞(2面参照)、花ゆずが町田市議会議長賞、シャクナゲが東京都農業会議会長賞、ブルーベリーが東京都植木農業協同組合組合長賞を受賞しました。
横田さんは「4つの受賞は、ライバルたちとの切磋琢磨のたまもの。表彰式後、彼らと一杯やりながら、町田の農業について語り合うのが楽しみ」と話します。
後継者と切磋琢磨
4月からは、長男・直紀さんが、本格的に家業に取り組むことになりました。大学在学中も毎週2、3日、千葉県から鶴間に戻って働いていました。「学業と両立させ、ハードな学生生活だったと思う。農地を残していく、家業を絶やさない、という本人の強い意志があったからこそ成し得たことだと思う」と横田さんは感心しています。
直紀さんも「家業をしっかり受け継ぐため、日々精進したい。緑と地域環境を守りつつ、さまざまな業界との交流やタイアップを進めていきたい」と意欲をみせます。
きずな.2015年 春号_No.37掲載