農と食のこと

肥料の基礎的な知識について

 肥料を適切に、適量を使うことが、野菜を上手に栽培するコツの一つです。人間は、食事をすることで必要な栄養素を取り込みますが、野菜は土の中に含まれている栄養素を取り込むことで成長します。今回は、野菜が成長するのに必要な栄養素、それを与えるために使用する肥料について紹介します。

まずは、野菜が必要とする栄養素を知りましょう

 作物に必要な栄養素は16種類あり、それらが含まれている肥料については下記の表をご覧ください。

 この中でも特に注意したいのが、「窒素」「リン酸」「カリ」の3要素です。これらの要素はそれぞれ「葉」「実」「根」の成長に大きく関わる要素です。

  • 「窒素」は、作物にタンパク質として含まれます。「葉」の成長にとても大切な要素です。
  • 「リン酸」は、不足すると実が大きくならなかったり花の色が悪くなります。過剰症状が出にくいのも特徴です。
  • 「カリ」は、作物が光合成をした際にできた栄養の移動や蓄えるのに働き、主に根を育てる要素です。過剰症状が出やすいのが特徴です。

 この「窒素」「リン酸」「カリ」を含まないものは肥料ではありません。さまざまな肥料は、これらの3つの要素以外に他の要素が含まれているものを指します。

 上記の「窒素」「リン酸」「カリ」を含む16種類の要素は、野菜の種類によって必要な要素や量は異なります。人間が偏った食事を続けると体調不良になるのと同じで、植物も偏った摂取を続けると生理障害などの症状を招きます。偏った肥料のまき過ぎに注意しましょう。

ポイント

 肥料の袋に記載されている「8−8−8」は、1袋(20kg)当たり「窒素−リン酸−カリ」の成分がそれぞれ8%含まれていることを表しています。速効性があり、追肥として施用されるJAの「燐硝安加里S604号」という肥料には「16−10−14」と記載されています。窒素16%−リン酸10%−カリ14%含まれていることを表し、追肥には最適です。畑に使う際に、必要な肥料成分が分からない場合は、以上の内容を踏まえた上でお買い求めください。

JAの良質なオリジナルたい肥・配合肥料を使いましょう

 JA町田市は独自に開発したたい肥「完熟有機たい肥」と配合肥料「匠」を取り扱っています。詳しくは、下段の広告でご紹介しています。

 作物を育てるには、自然界で供給される要素だけでは十分な収量や品質は保てません。そこで、人間の手で作物の成長を助けてあげる必要があります。JA町田市オリジナルたい肥、配合肥料を施用し、良質な土作りを目指しましょう。土作りは、農業の中でも土台となるとても重要な作業です。何かご不明な点などがありましたら、JA町田市各支店経済課あるいは経済センターふれあい課までお問い合わせください。

きずな.2015年 秋号_No.39掲載