闇夜に隠れる害虫「ヨトウムシ」 食害対策
今秋、関東地方では「ヨトウムシ(夜盗虫)」による被害の発生が多く報告されています。予防と対策を紹介します。
ヨトウムシは、文字通り夜間に活動をし、昼間は土の中や茂みに隠れています。老齢幼虫になると体長は3〜5cmの大きさになります。また、成虫は1匹あたり1,000〜3,000粒の卵を産みます。卵がかえると幼虫が大量に発生するため、対処が難しくなります。
食害の特徴
若齢期の幼虫の食害は、葉の表皮を残し白色のカスリ状になる食痕が見られます。そして、成長するに従って、葉脈や葉柄、主脈といった硬い部分だけを残し、暴食します。また、柔らかい新芽も格好の餌となってしまうため、作物全体の成長が止まり、枯れてしまいます。
ヨトウムシに食害されたキャベツの葉
防除方法
1.農薬による防除
秋冬野菜の代表的な作物であるキャベツ、白菜、ダイコンには次の2つの農薬による防除が最適です。
プレバソンフロアブル5
(普通物)250ml
価格3, 950円(税込)
アファーム乳剤
(普通物)100ml
価格2,500円(税込)
被害状況により使用法が異なります。効果的な使用方法については各支店経済課または経済センター営農支援課までお問い合わせ下さい。
留意点
幼虫は葉の裏側にいるため、表面に散布しただけでは効果がありません。散布する際は、薬剤が葉の裏側に十分かかるよう丁寧に行って下さい。同じ農薬の連続散布は薬剤耐性が出るので避けましょう。また、ヨトウムシは雑草の根元で越冬します。普段から畑や水田の除草はこまめに行いましょう。
2.農薬以外の防除
農薬を使わない場合は、常に畑を見回り、ヨトウムシが発生していないか確認することが大切です。
- 定植後すぐに、被覆資材(寒冷紗、防虫ネット)を使用し、成虫の飛来を防いでください。
- 葉の裏に卵を発見した場合は、葉ごとちぎり取って処分してください。ちぎり取った葉を畑に残さないようにしましょう。
- 目視で幼虫を確認した場合は、捕殺をしてください
3.ヨトウムシのように食害を起こす害虫
アオムシ、ハスモンヨトウ、コナガ、ハイマダラノメイガ、カブラハバチ等も、ヨトウムシのような食害を起こします。害虫の種類によって防除方法が異なる場合があります。詳しくは、JA町田市各支店経済課、または経済センター営農支援課までお問い合わせください。
きずな.2016年 秋号_No.42掲載