農と食のこと

ハクサイの品種選びと病害虫対策

 ハクサイは、冷涼で乾燥を好む野菜です。近年異常とも言える激しい夏の暑さやゲリラ豪雨などで、ハクサイの栽培も難しくなっています。また「苗半作」といわれるように、育苗は重要で、特に高温期に栽培するためには、しっかりとした苗作りをしましょう。軟弱徒長した苗を高温・乾燥条件で定植すると活着が遅れ、その後の育成にダメージを与えてしまいます。ハクサイは、根こぶ病・ウィルス病・軟腐病などの病気に弱いので、病気や暑さに強い品種を選ぶと良いでしょう。また、定植後ビニールマルチが高温になり葉やけしてしまうと、生理障害による育成の問題が発生します。そのため、黒色寒冷紗を活用することにより、これらの問題を回避でき、水まき作業も軽減できます。

品種選び

 品種を選ぶ時は、収穫したい時期を決め、次に玉内色・玉の大きさ・形状を決めます。ハクサイの品種には、大きく分けて、3つのタイプがあるので、時期に合った品種を選びましょう。

早生 65日~75日 7月中旬頃播種
本葉4~5枚で8月中旬定植
10月~11月収穫(年内に収穫)
中生 75日~85日 8月上旬頃播種
本葉4~5枚で8月下旬定植
11月~12月収穫(年内に収穫)
晩生 90日~95日 8月中旬頃播種
本葉4~5枚で9月上旬定植
12月から収穫
1〜2月まで圃場に放置できる

 播種時期と定植期を誤ると、生育に影響します。

病害虫対策

 育苗中や定植後、ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)・アブラムシ・ヨトウムシの食害や、育成盛りに入ると軟腐病、黒斑病、ベト病などの病気に注意が必要です。初期に防虫ネット被覆、その後は農薬の早期散布で防除します。
 育苗中や定植時には、下記の殺虫剤をお薦めします。使い方をしっかり守り、使用して下さい。

営農ポイント!
  • 普段から畝間を歩かないようにしましょう。
  • 人間が、葉っぱに接触して、折れることによってその傷口から病気になる可能性が高いので十分に注意しましょう。

プレバソンフロアブル5(殺虫剤)

 ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)、ヨトウムシ、コナガ等に効果があります。
 ※ブロッコリー、キャベツにも使用できます。

ダントツ粒剤(殺虫剤)

 生育初期のアブラムシ、ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)、コナガ等に効果があります。
 ※ブロッコリー、キャベツにも使用できます。

台風対策

 寒冷紗や防虫ネット、不織布で覆いましょう。台風通過後は、雨風により葉茎の傷みや根元が動き、浮いている事も考えられるので土寄せを行いましょう。また、Zボルドーを散布すると、目に見えない傷口を殺菌してくれます。

Zボルドー銅水和剤(殺菌剤)

 軟腐病、ベト病、黒腐病の予防に効果があります。
 ※野菜類で登録があります。

 詳しくは、各支店経済課または、経済センター営農支援課までお問い合わせ下さい。

きずな.2019年 夏号_No.53掲載