野菜の出来を左右する 冬の畑管理を伝授!
畑に残された野菜をみなさんはどうしていますか? 片付け方次第で畑の状態が変わってきます。
畑も冬の管理が大切
畑にとって冬は、次の春に向け活動を緩やかにし、エネルギーを蓄える季節。春からの野菜作りのために冬の畑管理はとても大切になります。 土の乾燥や凍結が起こりやすい冬には、何も野菜がないからといって畑をそのままにしていると土がダメージを受けてしまうことがあります。寒さが本格的になる前に準備することで春に大きな違いが出てきます。
管理のポイントは大きく3つあります。
畑のそうじ
収穫が終わった畑には、トマトの茎やダイコンの葉、腐敗した野菜くずがたくさん出てしまいます。そのまま畑に放置すると、春に病害虫の発生の原因となってしまいます。さらに、野菜くずなどが多く残っている畑は、動物が安全な餌場と認識してしまい、鳥獣被害を引き起こす原因にもなります。野菜くずは畑からきれいに取り除きましょう。
土起こし
霜が降りる前に畑を深く起こしましょう。全面をよく耕して団粒の土にしておきます。土の塊は砕かず、そのままにしてください。この固まりは冬の寒さにより、土中の水分が凍ったり溶けたりすることを繰り返し、徐々に細かく崩れていきます。このとき寒さに弱い病害虫が死んで、土の性質が良くなります。
雨の多い日本の気候では、ほとんどの土は酸性になってしまいます。野菜の多くは弱酸性から中性の土壌に適していますので、苦土石灰を散布して耕すと土壌の酸度が調整されて病害を予防する効果があります。苦土石灰はカルシウムやマグネシウム等が含まれており、植物にとって重要な要素成分の補給になります。散布量は1㎡当たり約200gほどですが、野菜づくりを続けている畑では約70~100gほどが適量です。
堆肥の散布
完熟堆肥を種まきや植え付けの1カ月ほど前に1a(30坪)あたり100kgほど入れておくことで土になじみやすく、土壌生態系も落ち着きます。
土が固いと根が張れなくなってしまい、作物は栄養や水分を吸収できないため、作物は育ちません。堆肥には有機物が多く含まれているため、微生物が有機物を分解し土がフカフカになります。水と空気の通り道ができ、根を張ることができます。
JA町田市では、町田市内で排出された剪定技チップを原料としたオリジナル完熟有機堆肥を販売しております。とても使いやすく、保水性と通気性をUP!ぜひ一度お試し下さい。
営農ポイント!
- 冬の間は野菜や雑草の成長も遅くなりますが、見えない土の中では微生物達は活動しています。春に向けて畑の片付けと準備をしていきましょう。
詳しくは、各支店経済課または、経済センター営農支援課までお問い合わせ下さい。
きずな.2019年 冬号_No.55掲載