マルチや被覆資材を活用し農作業を省力化
作物や季節に応じてマルチの色や被覆資材を使い分けることで病害虫や雑草を抑制できるなど農作業の省力化が見込めます。
マルチ
マルチングを行うことで、地温調節や土壌水分の蒸散を抑え作物にとってより良い環境を作ることができます。マルチの種類によっては、雑草の抑制や肥料成分の流出抑制、病害虫防除、土壌病原菌被害の軽減などさまざまなメリットがあります。
一般にはフィルムの色が透明、シルバー、黒、白黒の順にマルチ下の地温が高くなります。光透過率の高い透明マルチはより地温を上げる効果があり、季節や作物、地域によりマルチの色が使い分けられています。以下に色とその特徴についてまとめてみました。
マルチの色と特徴
透明マルチ
地温を優先させ、作物の育成を早めます
地温上昇 | 高 |
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雑草抑制 | 効果なし |
病害虫対策 | 効果なし |
黒マルチ
最も使用される色。低温時の地温は透明マルチに劣ります
地温上昇 | 低 |
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雑草抑制 | 効果高い |
病害虫対策 | 効果なし |
シルバーマルチ
地温上昇抑制と防虫に利用します。アブラムシ・アザミウマ等に有効
地温上昇 | 中 |
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雑草抑制 | 効果あり |
病害虫対策 | 効果あり |
白黒マルチ
表面白色・裏面黒色の2層マルチ。白色面は夏季栽培用です
地温上昇 | 低 |
---|---|
雑草抑制 | 効果高い |
病害虫対策 | 効果あり |
(その他)生分解性マルチ
トラクターでそのまま耕うんできるため、使用後の回収・廃棄処理が不要です
上記のマルチを季節や栽培品目等に応じて使い分けることで雑草の抑制や病害虫の防除につながり、農作業を省力化することができます。
被覆資材
被覆資材には、主に防虫ネット、不織布、透明フィルムなどがあり、使用目的や環境により使い分ける必要があります。トンネル掛けやべた掛けを行い、保温や防虫、防風から作物を守り野菜の生育を助けるほか、薬剤散布を軽減するなどの効果があります。
被覆資材の特徴
透明フィルム
光透過が良いので、トンネル内の温められた熱を逃がさない保温効果が高い資材。気温が高くなるとトンネル内は非常に高温になるため、換気が必要です。また、換気作業が出来ない場合は換気孔が開いているフィルムがおすすめです。
防虫ネット
害虫対策用に光を反射する銀糸が織り込まれており、目合いは細かくその名の通り害虫防除が目的です。目合いが細かいほど防除できる害虫の種類は増えますが、細かくなるほど通気性は悪くなり作物の生育に影響が出ることもあります。
不織布
素材は薄いフェルト状の布で光を良く通し、通気性・保温効果も有効です。また、透水性もあるので不織布の上から水やりもでき、病害虫よけや鳥の食害防止にもなります。不織布は素材の軽さを生かして野菜の上に直接かぶせるべた掛けによく使用されます。
営農ポイント!
- タマネギ苗にトンネル掛けをすると「とう立ち」しますので注意してください。
- 夏場の猛暑時は黒色寒冷紗の使用もおすすめです。
詳しくは各支店経済課または、経済センター営農支援課までお問い合わせください。