春の到来とともに一気に増える「アブラムシ」を防ぐ!
アブラムシの特徴
- アブラムシは高い増殖力を持ち、春から夏にかけて爆発的に増えます。雌が単独で子を作ることができる「単為生殖」のため、雌1匹で最大約90匹の幼虫を産むことが可能。また、その幼虫も10日ほどで成虫となり、毎日5匹程度の幼虫を産み、あっという間に増殖し続けます。
体長は約1~4mm。1匹→5匹→250匹→12,500匹以上と増える。
アブラムシの被害
(1)植物の汁を群生で吸い育成を阻害
大量のアブラムシに汁液を吸われるので、植物へのダメージは厳しくなります。
(2)汁を吸う口針がウイルス病を媒介
口針にウイルスが付着し、キュウリモザイクウイルスなどを媒介。葉や果実にまだら模様や奇形症状が出ます。
(3)分泌物の香りでアリを誘引、共存関係を築く
誘引されたアリは、天敵(害虫)からアブラムシを守ったり、他の植物へ移動させるなど共存関係を築きます。
葉を覆いつくして汁液を吸うアブラムシ
アブラムシが発する甘い香りの分泌物でアリを誘引
アブラムシの発生の要因
(1)畑の作付け環境を整備
- 窒素成分(N)を抑えた施肥を試みる
- 日当たり良好な方位への畝(うね)作りと、株間を空け風通しの良い植付けをする
- マルチを使う場合はシルバーマルチなどキラキラした色ものを使用する(マルチに光が反射し防虫効果が期待できる)
(2)薬剤以外の駆除方法(発生初期にはおすすめ)
- テープや歯ブラシで手動駆除
- 天敵のテントウムシの力を借りる(生物農薬用として飛ばないテントウムシもあり)
- 黄色の洗面器やバケツに水を張って設置(次々飛び込んで溺死)
- 窒息させる(牛乳や石鹸水を薄めて吹きかける←使用後は要拭き取り、大量発生時は非推奨)
- 忌避(きひ)剤を使用(木酢液・薄めた米酢など←濃度に注意)
(3)薬剤散布による駆除(JAおすすめ)
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ダントツ粒剤(ネオニコチノイド系)
…1kg1,280円(税込)
3㎏3,800円(税込)
植穴処理土壌混和 -
幅広い作物に適用した使い勝手の良い薬剤の一つ。定植時は「植穴処理土壌混和(苗を植える大きさに掘った穴へ先に薬剤散布後に定植)」で、効力がゆっくり長く持続。定植後の生育期は「株元処理」で短期間の効力を発揮。
※農薬を使用する場合は、以下の点を守り安全・安心な農産物づくりをしましょう!
- 使用前…必ずラベルの適用作物及び使用方法を確認
- 使用後…農薬使用履歴を帳簿に記載