台風から大切な野菜を守るには?
近年、異常気象の影響による自然災害が頻繁に発生しています。今年2月の降雪もその一つです。記録的な大雪により、多くの地域でハウスが倒壊するなど甚大な被害が報告されています。町田市内でも40棟のビニールハウスが一部損壊や倒壊してしまうなどの被害がありました。自然災害による農作物への被害は雪だけに限りません。そのため、夏号ではこれからの時期に警戒が必要な「台風」による被害を最小限に抑えるための対策について触れていきます。
露地栽培の事前対策
台風が来るまでにどのような対策を取ればよいのか。露地栽培及び施設栽培について事前対策をご紹介します。
畑が水没しないよう、排水溝がしっかり機能しているかよく確認してください。強風で野菜が煽(あお)られないようにするためには、できるかぎり防風網や寒冷紗(かんれいしゃ)を設置することが効果的です。キャベツやブロッコリーなどには、土かけを行い、煽られて株元がふらつくことを防ぎましょう。また事前に収穫が可能なものについては、極力収穫し、株重を軽くします。露地栽培の場合、強風が直撃するため早い段階での対策が必要です。
施設栽培の事前対策
ガラスやビニールなどに物が飛散して破損をしないように、施設周辺に飛散しそうな物がないかよく確認します。既にビニールに穴が開いている場合は、早急に補修してください。その他に、マイカー線に緩みがないかもチェックします。使用していないハウスのビニールは、剥がすか、巻き上げをするなどして、ハウス自体に被害が出ないように心掛けましょう。
台風情報をよく確認し、風が吹き始める前に対策を取ることが、被害を最小限に止めることへとつながります。
台風通過後の事後対策
続いて台風が通過した後の事後対策について触れてみたいと思います。
露地栽培の事後対策として、煽られたことによって作物が倒れた場合は引き起こし、必要に応じて誘引を施して固定します。また、煽られると茎や葉には眼には見えない小さな傷がたくさんつき、傷口から疫病や軟腐病の菌が入り込むため、茎葉の洗浄や、殺菌剤の散布を的確に行うことが大切です。
施設栽培の事後対策としては、まずは施設自体に被害がないか確認してください。被害があるようなら早急に修復しましょう。ビニールの穴など小さな被害でも、見逃していると次に台風が通過した際、より大きな被害を生みます。施設内に水が浸入した場合は換気をし、土壌の乾燥をして施設内の湿度を下げましょう。土壌に水分がひどく残り、湿度が高いままだと病害の発生へとつながってしまいます。
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被害を最小限に止めるためにも、事前対策及び事後対策はしっかり行いましょう。
ご不明な点がありましたらJA町田市各支店経済課または経済センターふれあい課までお問い合わせ下さい。
きずな.2014年 夏号_No.33掲載