農と食のこと

農作業事故を防ぐためには

 近年農業用機械の普及と、技術の進歩により操作しやすく安全性の高い農作業が可能になっています。しかし、依然として農作業時の事故は後を絶ちません。農林水産省が発表した平成15年から平成24年の死亡事故発生件数では毎年350件以上の死亡事故が発生しています。死亡事故に限らず、負傷事故も毎年何千件もの被害が報告されています。その多くがちょっとした不注意や、慣れた作業による気の緩みが原因です。

1.農作業事故の現状について

 平成24年には全国で350件の死亡事故が発生しています。発生した事故を状況別でみると、農業機械の作業による事故は256件、農業用施設作業による事故は19件、それ以外の作業は75件です。農業機械の作業による事故256件のうち、146件が乗用・歩行型トラクターによるものです。トラクターの操作中にヒヤッとした経験はありませんか?ちょっとした油断が重大な事故に繋がるかもしれません。

○作業を行う際は、正しい服装で身を包み、畑の状況をよく確認してから作業するようにしましょう。

正しい例
長袖・長ズボン・地下足袋(あるいは紐のない長靴)
悪い例
半袖・半ズボン・サンダル

ロータリー等に巻き込まれない服装で作業を行い、レバーに引っ掛かりそうなタオル等は腰や首に巻かないようにしましょう。

2.乗用型トラクターについて

 乗用型トラクターについては以下のことについて注意し、日常から意識できるように心掛けましょう。

  1. 畑を耕すにあたり、畑やその周りの除草を日ごろから行いましょう。雑草が伸び、見通しが悪くなると窪みや段差、障害物に接触し危険です。
  2. 坂道を登り下りする際は、後ろのロータリー部分を必ず下げましょう。上げたままだと、ロータリー部分が重いため重心が不安定になり、前輪が浮く等ハンドルがきかなくなり、転倒する要因となります。
  3. 作業が終わったら必ずブレーキペダルの連結を確認してください。連結されていると思い込み、片側ブレーキだけを踏み込み急旋回等をすると転倒する要因になります。

3.歩行型トラクターについて

 歩行型トラクターは手軽に作業ができるため油断しがちですが、一歩間違えれば死亡事故にも繋がる危険性があります。以下の要点に注意しましょう。

  1. 傾斜地でクラッチを握ると、エンジンブレーキが効かなくなり制御不能になります。傾斜地でのクラッチ操作は基本的に行わないように注意しましょう。
  2. 後退する際は、後ろの状況をよく確認しましょう。後方に障害物があると挟まれたり、転んでロータリーに巻き込まれたりする危険性があります。
  3. ロータリーが回転している時は、不用意に手足を近付けないように十分注意しましょう。

  少しでも農業機械に不調がありましたら、JA町田市農業センターまたは各支店経済課、経済センターふれあい課までお問い合わせください。

夏号に掲載した内容に一部誤りがあります。

ダコニール1000(フロアブル)500ml

(誤) ¥2,330(税込)
(正) ¥2,250(税込)

謹んでお詫び申し上げます。

きずな.2014年 秋号_No.35掲載