雪害からビニールハウスを守りましょう。
平成26年2月の大雪は、近年にない降雪量となりました。その影響で、一部損壊や倒壊を含めてJA町田市管内だけで50件以上の被害が報告されています。このような大きな被害をもたらす大雪は、数十年に一度と言われています。毎年発生する現象ではありませんが、降雪に備え雪害を未然に防ぐ取り組みが重要となります。今回の営農情報では、雪害からビニールハウスを守るためにはどのような取り組みをすればよいのかについて触れていきます。
ハウス被害の概要
報告された被害は、以下の3つに分類できます。
- ハウスのアーチパイプ部分に積雪し、その重みでパイプがゆがむ
- ハウスが並んでいる畑でハウス間に積雪し、横からの圧力でパイプがゆがむ
- 連棟のハウスで谷の部分に積雪し、その重みで温室ハウスの天井のガラスが割れたり、倒壊したりする
ハウス被害の概要
- 扉を閉め、ハウス内の温度を高めることに努めましょう。暖房設備がある場合は稼働させ、設備がない場合はストーブや練炭などを使って室温を上げてください。ロウソク1本でも火を灯しておけば、空気の流れが発生し、室温低下を防げます。火災や、一酸化炭素中毒にならないように十分に気をつけましょう。
- マイカー線のねじれや劣化、天井部のビニールのたるみが原因で積雪しやすくなり、損壊や倒壊の危険性が増します。日頃から点検を行い、必要に応じて補修し、被害を未然に防ぎましょう。
- ハウス周辺で邪魔になるものは、事前に片付けておきましょう。積雪した場合、除雪する必要があります。
積雪後の対応策
- 積雪の後に雨が降ると、雪は重くなります。積雪後は速やかに、融雪・除雪を行いましょう。
- 積雪後のハウスは倒壊する恐れがあります。屋根に登っての除雪は避け、暖房を使い融雪を促しましょう。横からの圧力や積雪の偏りなどでハウスのバランスが崩れ、予期せぬタイミングで倒壊する場合があります。積雪後に、天井部の雪を下ろそうと下から押すなどの理由で、不用意にハウス内には立ち入らないでください。
日常から天気予報をチェックし、雪害が予想される場合はハウスの補強や、融雪のための準備を早めに行いましょう。除雪時はヘルメットなどを着用し、滑りにくい靴や手袋で作業を行ってください。作業は2人以上で行い、外部にすぐ連絡できるようにし、身の危険を感じたら速やかに現場から離れてください。雪害はハウスなど農業に関わる被害が出るだけでなく、一歩間違えれば二次災害を招きます。十分に注意しましょう。
ハウスの補強や修繕、その他ご不明な点がありましたら、JA町田市各支店経済課または、経済センターふれあい課までお問い合わせ下さい。
きずな.2014年 冬号_No.36掲載