夏野菜 キュウリを植える時の注意点
そろそろ夏野菜を植える作業で忙しい時期となります。夏野菜を植える時期は、昔から八十八夜を過ぎてからと言われています。今年の八十八夜は5月2日(土)です。そこで、今回の営農情報では、夏野菜の1つ、キュウリの植える前後の管理について触れていきたいと思います。
植え付け時の注意点
- 購入した苗を、家に持ち帰ってすぐ植えるのは避けましょう。
JAが苗市などで販売する苗は、市内の農家がビニールハウス内で育てたものです。温室育ちのため外の環境と違い、温度管理がなされた状態で育っています。そのため、日夜温度差のある露地に植えてしまうと苗が風邪をひいてしまいます。購入した苗は、軒下で2~3日程度外気温に慣らしましょう。 - 植え付けは、なるべく暖かく風の吹いていない日に行います。
前述同様、急に温度差のある環境で植えると生理障害を起こす要因となります。また、風の強い日ですと、苗が風にあおられて生長に支障をきたします。仮止めとして短くてもかまわないので支柱竹などで苗を支えましょう。(風よけの「マイキャップ」等も有効です。) - 植えた後の水やりはほとんど必要ありません。
植える2時間程度前にたっぷり水を吸わせて、比較的浅植えを心がけましょう。畑の土より、ポットの土が少し出るようにするのがポイントです。またその際に、土を押しつけて固めないように注意します。
有効な薬剤
- ネコブセンチュウの被害抑制
ネコブセンチュウの被害を抑えるために、植える2~3週間前にネマトリンエース粒剤(15~20kg/10a)を土とよく混ぜましょう。マリーゴールドには殺線虫物質が含まれているため近くに植えるのも一つの手です。(立性の品種のみ) - アブラムシ、アザミウマ予防
植える穴に、ウィルス病を媒介するアブラムシやアザミウマを予防するためにアドマイヤー1粒剤1~2g/株やダントツ粒剤1~2g/株などを施しましょう。
生育期に注意したいこと
タバココナジラミやミナミキイロアザミウマは葉の裏に寄生し、キュウリの葉脈から汁を吸いアブラムシ同様ウィルス病を媒介します。またコナジラミはスス病の発生にも関係します。夏から秋にかけて発生しますがハウス栽培では年間を通じて発生します。これらは小さく見つけにくい害虫であり、一度発生し放置しておくと被害を抑えることが極めて困難になります。そのため、早期に防ぐことを心がけ、ハウス栽培では黄色粘着トラップを使用して発生状況を把握できるようにしましょう。
- 定植時
- アクタラ粒剤5(1g/株)など
- 生育期
- スタークル顆粒水溶剤(2000~3000倍)
病害虫が発生した場合は、適切な薬剤散布が必要です。適正な使用量や使用時期、希釈倍率を把握し、使用してください。ご不明な点がありましたら自己判断せず、サンプルをご持参の上、お近くのJA町田市各支店経済課か経済センターふれあい課までご相談ください。
きずな.2015年 春号_No.37掲載