あなたもチャレンジ!家庭菜園
第9回:たくさん育て、たくさん食べよう タマネギ
板木技術士事務所 板木利隆
切ると出る涙の原因は硫化アリル、ビタミンB1の吸収を助けて新陳代謝を活発にし、コレステロールの代謝を活発にし、血液をサラサラにして動脈硬化や高血圧、糖尿病を予防する効果もあります。近年明らかになったところによると、野菜の中では最も細菌病、大腸菌などを寄せ付けず、安全性では極めて優れていることが裏付けされています。
タマネギは病害に強く、毎年同じ畑でも作れるので、自家菜園の作付けにとっても大変有利です。貯蔵力もあり、使い道も幅広いので、たくさん育てることをお勧めします。
家庭菜園では、通常晩秋に出回る苗を買い求めて育てる場合が多いのですが、ご承知のようにタマネギは黄、白、赤の品種があり、収穫期の違う極早生、早生、中生、晩生と特徴のある数々の品種があります。
これらを上手に育て楽しむには、自分で好みの品種を選び、種子から育てる必要があります。特に直売など販売を目的とする場合は、苗代の負担も大きくなってしまいます。
種まきの適期は、極早生8月下旬〜9月上旬、早生9月上旬、中生9月中旬、晩生は9月下旬です。適期まきはとても重要なことなので、地元のJAや種苗専門店、栽培農家などに聞いて決めることが大切です。特に中晩生の品種を早くまき過ぎると、越冬するまでに大きく育ち過ぎ、寒気に感じ過ぎてとう立ちするものが多く、失敗します。
苗を上手に育てるには、苗床の前作を早めに片付け、種まきの20日以上前に完熟堆肥と石灰、化成肥料をよく耕やしておきます。トマト、ナスなどの強い根が残る野菜の跡地は避けてください。
種まき前にベッドを作り、図のように丁寧にベッドの表土をならしてから約1〜2cm間隔ぐらいに均一に種をまきます。そしてふるいで2〜3mmほどの厚さに、満遍なく覆土し、板切れなどで軽く表土をたたいて鎮圧し、その後ジョウロでたっぷり灌水(かんすい)します。
その上に細かく砕いた完熟堆肥をごく薄く覆い、その後苗床全面を稲わらやべた掛け資材を二重に覆い、残暑や乾燥、台風や強風の被害から守ります。
種まき後5〜7日で発芽し苗が伸び始めたら、これらの被覆資材は取り除き、ジョウロでたっぷり灌水して生育を促します。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
※掲載内容は「JA広報通信」より引用したものです。