農と食のこと

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第55回:タアサイ 霜に当たるとおいしさが増す

園芸研究家●成松次郎

 タアサイはツケナの仲間で、中国語で「塌菜」と書きます。「塌」は「つぶれる」という意味です。葉は平たく杯状に広がっており、さじ状で縮れがあり、日本の野菜では「キサラギナ」に似ています。チンゲンサイと共に、代表的な中国野菜です。

[品種]

 品種分化が少なく「緑彩二号」(サカタのタネ)、「タアサイ」(タキイ種苗など)として販売があります。

[畑の準備]

 種まきの2週間前までに1平方m当たり苦土石灰100gをまき、酸度を矯正しておきます。1週間前までに堆肥1kgと化成肥料(NPK各成分10%)100gを施し、土とよく混ぜておきます(図1)。次に、幅1m、高さ5cm程度の栽培床を作ります。

[種まき]

 春まきでは条間15cm、株間15cm、秋まきで大株にするには条間20cm、株間20cmに1カ所5、6粒の点まきをします(図2)。発芽まで土が乾かない程度に灌水(かんすい)し、発芽後は土が乾いたらたっぷり与えます。なお、ポリマルチを使うと、生育の促進に加え、土が葉の間に入るのを防ぐ効果があります。
 種まき後は防虫ネットでトンネルを作り、害虫から保護します。また、べたがけは発芽促進と害虫の防止になるため、1カ月程度被覆するのも良いでしょう。

[間引き]

 1回目は発芽後、込み合っている株を除き、2回目は本葉2、3枚の頃に2本、3回目は本葉5、6枚の頃に1本にします(図3)。

[追肥]

 大株に育てるには、最後の間引きの半月後に化成肥料を畝間にばらまき、軽く土寄せします(図4)。

[病害虫防除]

 アブラムシやアオムシ、ヨトウムシなどが発生します。アブラムシには粘着くん液剤など、アオムシ、ヨトウムシにはトアロー水和剤CTなどを使用します。長雨のときは、べと病や白さび病が発生しやすいので、株間を少し広めに取ります。

[収穫]

 春まきでは株が立性になり、草丈25cmくらい、秋まきでは、葉は大きく広がり開張性になり、上から見て直径20cmくらいから収穫を始めます(図5)。寒い時期になるとおいしさが増してきます。収穫後は広がっている葉を内側につぼめてひもで縛ると扱いやすくなります。

第55回:タアサイ 霜に当たるとおいしさが増す

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

※掲載内容は「JA広報通信」より引用したものです。