農と食のこと

ベランダでできるキッチンガーデン

第14回:エダマメ(マメ科ダイズ属)

土壌医 藤巻久志

 エダマメといえばビール。ビールといえばドイツ。ドイツといえばクラインガルテン(市民農園)。ドイツのクラインガルテンには、ビールメーカーがスポンサーになっているところもあるとか。

 日本でも市民農園が増えています。1990年には市民農園整備促進法が成立しました。その第1条には「この法律は、主として都市の住民のレクリエーション等の用に供するための市民農園の整備を適正かつ円滑に推進するための措置を講ずることにより、健康的でゆとりのある国民生活の確保を図るとともに、良好な都市環境の形成と農村地域の振興に資することを目的とする」と、素晴らしいことが書いてあります。

 ベランダでエダマメを栽培してみましょう。取れたてを食べると、市民農園を借りたくなります。

 エダマメは低温だと発芽しないので、4月下旬から5月上旬に種まきします。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、株間20cmに3〜4粒の点まきをします。覆土は種の大きさの3倍が標準です。

 発芽後、順次間引きして本葉2枚までに2本立てにします。乾燥と過湿に弱いので、水やりは朝やって夕に土の表面が乾く程度にします。

 エダマメは根に根粒菌が付いて空気中の窒素を固定し供給するので、肥料は少なくて済みます。追肥は生育状態を見ながら、1000倍の液肥を施します。窒素肥料が多過ぎるとつるぼけ(葉ばかりさま)になって、さや付きが悪くなります。

 本葉4〜5枚になったら、倒伏防止のために軽く土寄せし、増し土をします。株元にわらや腐葉土を敷いて、表土の乾燥を防ぎます。本葉5〜6枚のときに摘芯すると、脇芽がよく伸びて、さやが多く付きます。

 株の中央部のさやが膨らんできたら、株ごと引き抜いて収穫します。さやが黄色くなってからでは豆が堅くなるので、さやが鮮緑色のうちに収穫します。

第14回:エダマメ(マメ科ダイズ属)

※藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。

※掲載内容は「JA広報通信」より引用したものです。